SEEKING NEW TURN MIKAKO TABE

FASHION

マーヴェラスなピースたちを身に纏い、多彩な表情を見せてくれたのは、才気溢れる女優・多部未華子さん。想像を巡らせば、私たちはどこまででも進むことができる。そこには、非日常へと誘ってくれる刺激が必要不可欠だ。

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INTERVIEW

撮影はいかがでしたか? 印象に残っている衣装はございますか?

とても楽しかったです! どのルックも素敵でしたが、MARC JACOBSの衣装が特に印象的でした。ドレスにニット帽を合わせると、こんなに可愛く仕上がるんだとびっくりしましたし、ドレッシーな雰囲気にカジュアルな小物という組み合わせが、すごく今っぽいなと感じました。赤いリップもいいアクセントになっていますよね。

とてもお似合いで素敵でした! 普段はどういったファッションがお好きですか?

普段はデニムを穿くことが多いのと、最近はアクセサリー集めにもハマっているので、インしたシンプルなTシャツに、アクセサリーを加えてスタイリングしたりしています。可愛い雰囲気のものをプラスしたり、シルバーでクールにしたりと気分に合わせて変えてみたり。デニムはハイウエストのワイドなシルエットが好みで、できればお尻のポケットが上の方にあるといいなと思っているのですが、なかなか理想のデニムに出会えなくて。実際に穿いてみないと自分にフィットするかどうかも分からないので、色々なブランドのデニムを試し穿きしてみたり、骨格が似ている知り合いのメイクさんに、オススメを教えてもらったりしています。あと、お気に入りは色違いで揃えることも多いです。数年前に購入したロングコートがあるのですが、形がすごく気に入っていて。毎年色違いがリリースされるので、すでに3色持っているんです (笑)。

この秋冬に取り入れたい注目アイテムはありますか?

流行りは全然追えていないのですが、例えば小物でファーのようなふわふわ素材を取り入れたりと、秋冬ならではの遊びを加えたいなと思っています。

中学時代より女優の道を歩んでいらっしゃる多部さんですが、お仕事を始めたばかりの当時の心境はいかがでしたか? キャリアを重ねる中で感じている変化はございますか?

お仕事を始めた当時はまだ学生だったので、お休みの日や夏休みなどの長い休暇の間にお仕事をするという感じで、それこそ部活動に近い感覚でした。幼い頃から舞台が好きだったので、ミュージカルに出たいという気持ちはあったのですが、有名人になりたい、テレビに出たいといった願望は全くなくて。ありがたいことに、機会をいただいてこの世界に足を踏み入れることになったのですが、学生時代は友達と遊ぶ時間がないことを嫌に感じたりと、少し後ろ向きな部分もありました。でも20代になり、周りの友人が就職などの転機を迎えると同時に、この世界で頑張っていくのかなと考えるようになりました。

学生の時から演技はずっと好きでしたか?

ミュージカルはずっと好きです。ただ、カメラや衣装、ヘアメイクなどの色々な分野のプロが集まり、一つのチームとなって何かを作り上げる。その楽しさや面白さは自分が実際にお仕事を始めて気付けたことで、みんなで一丸となってものづくりをすることが、やっぱり好きだなと。私自身すごく飽き性なので、こうしてお仕事を続けてこられている、ということは純粋に好きということなんだと思います。

舞台とドラマ作品などでのお芝居は、やっぱり全く異なりますか?

全く違う部分もありますし、一方で一緒なのかなと感じることもあります。ただ、舞台は事前にお稽古もあって、それまでに積み重ねてきたものを、アウトプットする場なのかなって。

そうですよね。ドラマ作品などのお仕事前は、どういった準備をされるんですか?

撮影のために何かする、というノウハウ的なことではないのですが、必然的に友人と会える時間が限られてしまうし、お仕事の後に出掛けるなどの予定を詰め込むと、自分のバランスも崩れてしまうので、撮影が始まる前に友人とたっぷり会うようにしています。自分時間を友人と満喫するという感じです!

お仕事をする上で変わらず芯に置いていることはありますか?

今までの人生、直感で生きてきたと思っていて。例えばこれはやりたいけど、あれはやりたくないかな。これは触れちゃいけない、でもあれは触れてみたいなど、好奇心の矛先をはじめ、ファースト・インプレッションを大事に生きてきているのかなと。そういった軸はブラさずに、お仕事のオファーをいただいた際に感じる第一印象は大事にしています。

直感型なのですね。好きな作品のジャンルはございますか?

ここでも飽き性な性格が出てしまっているのですが、すべてはバランスという感じです。コメディ作品を続けていると、笑いのないシリアスな作品でも演じてみたいなとふと思ったり、ずっと喋り続けている役を演じていたとしたら、ずっと黙っている役をやってみたいなとか。こういう役がやりたいというよりは、自分の直感といただいた機会を大切にしていきたいです。

“自分らしさ”はどんなことで感じられますか?

自分を隠さないこと。誰に対しても、ありのままでいることです。

身も心もヘルシーでいるために、日頃から意識していることはございますか?

やっぱり友人と喋ることです。海外で知り合った方もいますが、学生時代から続いている友人が多くて、ご飯もよく食べに行ったりもしますし、お泊まりに来てくれたり。毎日連絡のやり取りもしているので、お互いの日々のことは把握している、みたいな関係です(笑)。

育児や家事、お仕事はどう両立されていらっしゃるのでしょうか?

育児ばかりに集中しているとお仕事をしたいなとなりますし、お仕事をしていると育児をしたいな、と気持ちが移ろっていくのでちょうどイイんです(笑)。全部が一つのボックスに均等に収まっている感じで。友人と遊びたいと感じたら遊ぶけれど、遊びすぎるとお仕事にフォーカスしようと思えるし、作品に入って誰とも会えなくなると、遊びたいと自然と思える時が来るので、それはそれで良い循環になっているのかなと。

何かに悩んだ時はどう解決することが多いですか?

誰かに話すことが多いです。そこで例え答えが出なくても良くて、友人に話して聞いてもらえるだけでもうスッキリしています。やっぱりデトックスはしていかないと、溜め込んでいても仕方がないので。悩んでいる時間ももったいないですし、ストレスを溜める行為そのものをしないタイプかなと思います。

ご自身にとってのご褒美はどんなことですか?

ショッピングに行くことです。基本的に、ここに行ってこれがしたいといった願望はあまりなくて、家の近くのカフェに行ってぼーっと過ごしているだけでも、色々なことがすごくリセットされるので、それで充分かなと思っています。ただ歳を重ねたせいか、温泉に行くことがすごく好きになりました。以前はそんなに頻繁に行きたいとは思わなかったし、家でのバスタイムも早いほうなのですが、最近は温泉に行くとふやけるぐらいずっと浸かっています(笑)。家族で行くことが多いですが、友人とも行きたいですし、それこそご褒美として一人でも行きたいくらい。温泉施設だけでも楽しめるところも増えましたし、ずっと旅館にいられるくらい温泉好きです!

本誌では、強さとしなやかさを持ち合わせたグラマラスな女性像を掲げているのですが、多部さんが描く理想的な女性像があれば教えてください。

一人でも生きていける女性ですかね! 精神的にも、経済的にも。

これだけは譲れないというマイルールはありますか?

自分が正しいことをしている、悪いことをしていないのなら、その意志を貫き通すことです。小さい頃から頑固な部分があって。もちろん相手に迷惑をかけたり、不快な気持ちにさせてしまうのはダメですが、相手も納得してくれる範囲で、自分が悪くないと感じることには言い訳をしないようにしています。

新しく挑戦してみたいことはありますか?

「整理整頓」と言い続けているのですが、本当に苦手で、私の一生の目標になっています。出したものを元あった場所に戻すといったこと自体が苦手ですし、断捨離なんてハードルが高すぎます。子どもがいると片付けても埒があかない時もあるので、専門の方に頼むこともあります。そうして部屋が綺麗に片付いていると、やっぱり気持ちもすっきりするんですよね。頭ではそれを分かっているのですが、なかなか実践できないのが悩みなので頑張りたいなと思っています。

30代で叶えたいことはありますか? 今後の展望も併せて教えてください。

年齢などの節目は特に意識していないのですが、“これをしたい”と思ったら絶対に“したい”タイプで。言い方は悪いかもしれませんが、狙った獲物は逃がさないというか(笑)。それは小さい頃からの性格で、私のいい部分でもあり悪い部分でもあるよね、と母からも言われています。でも、昔より年々その気持ちが強くなってきているので、そこに対して正直になりながら、“したい”ことは全て叶えていこうと固く決意しています。そしてバランス良く心身の平穏を保ちながら、充実した日々を送ることが目標です。「今日も楽しかった!」と思える日々を、これからも過ごしていきたいです。

PROFILE

女優 多部未華子 Mikako Tabe

1989年1月25日生まれ。東京都出身。2002年に女優デビュー。2005年に映画『HINOKIO』『青空のゆくえ』で第48回ブルーリボン賞新人賞を受賞するなど、存在感のある演技で幅広く活躍。 エランドール賞新人賞、読売演劇大賞優秀女優賞・杉村春子賞など、ほか受賞歴多数。近年の主な出演作にドラマ『スロウトレイン』(2025)、『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』(2025)、 映画『空に住む』(2020)、『流浪の月』(2022)、舞台『兎、波を走る』(2023)など。待機作品には連続ドラマW『シャドウワーク』がある。

Model:MIKAKO TABE Photography:TAKUYA UCHIYAMA(SIGNO) Styling:KOSEI MATSUDA(NOBODCR) Styling Assistant: KOKONA TATENO Hair&Makeup:YUKIE TSUJIMURA(ende) Edit&Text:SEIRA MAEHARA