1月19日公開の映画『ゴールデンカムイ』で山﨑賢人演じる杉元佐一の相棒役アシㇼパを熱演した今大注目の女優・山田杏奈。彼女の素顔に迫るべく撮影の様子などをたっぷりと語ってもらいました。(2023年末取材)
――2023年はどんな年でしたか?
2023年は『ゴールデンカムイ』の撮影が長期間だったのと、今も取材周りで動いているので、空いてる期間もカムイのことをずっとを考えていて、”『ゴールデンカムイ』一色”の1年だったと思います。その中で全然違う役柄の10月クールドラマを撮っていた時期もあり、すごくありがたい年だったなと思います。
――2023年のご自身を一言で表すならズバリ!
ずっと仕事で追われているというわけでもなく、かなり一つひとつの作品に向き合う時間をとって頂きながら仕事できたので、仕事が楽しかった1年でした。
――2024年の年始にしたいことはありますか?
1年で大晦日、お正月が一番好きなのですが、実家にお正月用の良いお肉を送って、家族みんなで食べようって思います。あとはお昼からお酒を飲むなんていう三ヶ日になる予定です。
――今回、作品のオファーを受けた時どんな心境でしたか?――
『ゴールデンカムイ』というすごく人気のある作品の実写化で、アシㇼパという大事な役どころだったので、すごく驚きました。最初は楽しみな気持ちで一杯でしたが、その後、だんだんとどうしていったらいいかなと考えるところも出てきました。とにかくしっかりやろうというのが大きかったかもしれないです。
――「原作のキャラクターに近づけなければいけない」という感情も心境的にはありましたか?――
ありましたね。原作(漫画)をしっかり読んでアシㇼパたるものは何なのかを考えながら演じていました。ただ原作(漫画)と映画とでは表現の仕方が違うところもあるので、原作(漫画)と映画のアシㇼパをどうしたら魅力的に表現できるのかを考えながら演じさせて頂きました。
――共演者を知った時の心境はいかがでしたか?――
皆さんが決まっていたところに、私が飛び込ませて頂く気持ちでした。先輩方は様々な作品に出演されていた方が多く、私もいち視聴者として皆さんの演技が楽しみで、ワクワクしていました。
――役作りで大変だったことはありますか? ――
アシㇼパという役が山の中で狩りをしていたり、野山を駆け回ったりと、たくましく生きているキャラクターだったので、弓や乗馬などのアクション練習をしました。アクションをするのが初めてだったので、しっかり時間をとって頂いて少しずつ覚えていきました。私自身、運動が元々全然得意じゃないんです(笑)アクションという芝居の中でも、走るとか振り向くとかちょっとした仕草でも、かっこよさや見え方が全然違うことを知って、一から教えていただきました。
――もともとアクションの経験がなかったということですが、アクションの練習をしていて「ここが一番きつかった!」という場面はありましたか?
――終始結構大変だったのですが、中でも大変だったのはひたすら走る練習や、走って止まるみたいな練習が大変でしたね。私は、首が動いちゃう癖があるみたいで・・・ (笑) 。動画で撮って見ると確かに動いてるんですよ。なのでとにかく細かくアクション部さんに助けてもらいながら、たくさん練習しました。
――アクションシーンだと首を固定するんですか?
そうですね。山﨑さんはアクションものを今までもやってらしたので、練習の期間を経て染み付いてる部分があると思いますが、私は、意識をしないと首が動いてしまうので「首!首!」と思いながらいつも撮影に臨んでいました。走るシーン以外にも動き回る印象的なシーンが多く、雪の中で走らなきゃいけない事も多かったので、何度も滑って転んでしまっていました(笑)
――雪の中では普通に歩くのも大変ですもんね。実際に、雪の中での撮影でしたか?
実際に冬の北海道をはじめ、長野など雪山に行き撮影をしてました。映像は本当の雪ですね(笑) 時にはスタッフさんのまつげが凍ってたりもしてました・・・。
――冬は得意ですか?
はい。私は暑いよりも寒い方が得意なのですがそれでも、すごく着込んでました。ヒートテック以上の見たことのないようなインナーをたくさん着て、カイロもたくさん貼って撮影してました。
――衣装も重量感ありそうな衣装でしたよね?
すごい重くて大変だなと思ったのですが、極寒だったので毛皮のありがたさを感じました。
――実際に衣装は重かったですか?
重かったです。他の人の服よりかなり私は暖かい方だったと思います(笑)
――長期の撮影期間で雪の中にいたとのことですが、作品に入られた頃よりも撮影が終わる頃には寒さに慣れましたか?
少しはあるかもしれません。段々と装備を充実させていきました。最初は現場にDr.Martensで行けるかと思ったのですが、流石に無理でした。次に北海道行く時は、ガチガチのスノーブーツを買い足しダウンを着て行きました。最初の頃はホテルから買い物へ行くまでの道が凍っていて、何度も滑ってしまったのですが、後半は滑らずに歩けるようになりました。北海道に住んでる方は転ばないって言うじゃないですか(笑) 。せかせかと走ってる方などもいるんですよ。おそらく、地元の方の歩き方のコツがあるんだと思います!
――山田さん演じるアシㇼパが物語が進むに連れて心を開いているように見えましたが、演技面で気をつけたところはございましたか?――
撮影期間自体が長期だったこともあり共演者と打ち解けている中でも、序盤の方(出会いのシーン)を撮影することもありました。映画の見え方としては、杉元と出会って少しずつ様々な経験を積んで相棒として信頼をしていく流れですが、監督と「杉元とアシㇼパってまだ仲良くないですよね(笑)」などと話をしながら撮影を進めていました。
――実際に演じて自分自身とアシㇼパが似ているなと思ったところはありますか?
そうですね。肝が据わっていて物応じしないと周りの方からも言われることが多くあり、そういう面が自分とアシㇼパとの共通する部分だと感じました。ですが、アシㇼパの「肝が据わっている」と私自身普段生活してる上での「肝が据っている」では、レベルが違うなと感じます。ヒグマと遭遇する場面などアシㇼパの方が様々な経験をしてきたのだろうと思います。ですが、根本的な部分で通ずるものもあるかと思います。
――似ていないなと思うところはありますか?
一人で突き進んでいくところだと思います。序盤で杉元とすぐに手を組む判断力の速さがすごいと思います。「私の場合、明日答えさせてください。」と答えてしまいます。この人なら信頼できるだろうという覚悟と、何かあっても自分自身の責任だとしっかりと構えている部分が自分には無い部分だと思います。
――普段、ご自身で生活されている中で優柔不断だなと思うところはありますか?
優柔不断ですね。「明日どこに行く?」と聞かれても特にこだわりがないので、スパスパ決めていく人が周りにいたら助かります。
――白いオオカミとのシーンが印象的でしたが、実際に好きな動物はいますか?
実家に犬がいるので、犬はやはり好きです。作品ではレタㇻというエゾオオカミとアシㇼパが仲の良い設定で、すごく羨ましいなと感じました。大きな動物が自分だけに心を開いているのは、すごく夢がありますよね(笑)
――杉元役の山﨑さんと2人のシーンが多くありましたが、現場でのエピソードなどはありますか?
そうですね。本当にほんわかした方なので、すごくフランクにお話しをさせて頂きました。自然と山﨑さん含め出演者と輪になって話しながら過ごしていました。劇中のご飯が実際にとても美味しくて、よくおかわりをして食べていました。劇中では杉元とアシㇼパの関係性が、一緒に寝泊まりをして、ご飯を食べて、狩りをして過ごすという、家族ぐらい近い関係性だと思うので「昨日撮影終わった後、何してたんですか? 何食べました?」のようなお話をよくしていました。
――作品の中でアシㇼパにとって杉元が心強い存在だったと思いますが、実際に現場で山﨑さんを心強く思った瞬間はありましたか?
そうですね。山﨑さんが台本の中で「こうした方がいいと思うのですが、どうですかね?」と監督とかに細かなところまで聞いてくださる方なので私もいろいろなことを聞きやすい環境でした。『ゴールデンカムイ』という原作(漫画)がある中で変えられない場面も多いのではないかと感じることもありました。基本的には原作(漫画)に忠実に撮影していましたが、映画ならではの表現が出てくる時に「ここはこっちの方が言いやすい気がします」など、相談しやすい環境を作ってくださったので心強いと思いました。
――最後になりますが、2024年の目標を教えてください。
2024年の目標は、年明けに『ゴールデンカムイ』の公開でスタートし、これ以上ない最先の良いスタートを切らせて頂くことになると思うので、その波に乗って他の仕事であったり、先々のことを見据えて邁進していきたいです。これといった趣味がないので新しい趣味も見つけられる1年にしたいなと思います。
▼プロモーション情報
『ゴールデンカムイ』1月19日(金)全国公開/IMAX同時公開
壮大な大地を舞台に一攫千金をかけたサバイバル・バトルが今始まる!
舞台は気高き北の大地・北海道。時代は、激動の明治末期―。
日露戦争においてもっとも過酷な戦場となった二〇三高地をはじめ、その鬼神のごとき戦いぶりに「不死身の杉元」と異名を付けられた元軍人・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく、北海道で砂金採りに明け暮れていた。そこで杉元は、アイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を奪った男「のっぺら坊」は、捕まる直前に金塊をとある場所に隠し、そのありかを記した刺青を24人の囚人の身体に彫り、彼らを脱獄させた。
囚人の刺青は24人全員で一つの暗号になるという。
そんな折、野生のヒグマの襲撃を受けた杉元を、ひとりのアイヌの少女が救う。「アシㇼパ」という名の少女は、金塊を奪った男に父親を殺されていた。金塊を追う杉元と、父の仇を討ちたいアシㇼパは、行動を共にすることとなる。
同じく金塊を狙うのは、大日本帝国陸軍第七師団の鶴見篤四郎中尉。日露戦争で命を懸けて戦いながらも報われなかった師団員のため、北海道征服を目論んでおり、金塊をその軍資金代わりに必要としていた。
そして、もう一人、戊辰戦争で戦死したとされていた元新撰組の「鬼の副長」こと土方歳三が脱獄囚の中におり、かつての盟友・永倉新八と合流し、自らの野望実現のため、金塊を追い求めていた。
- 出演者:
山﨑賢人
山田杏奈 眞栄田郷敦 工藤阿須加 栁俊太郎 泉澤祐希 / 矢本悠馬
大谷亮平 勝矢 / 高畑充希
木場勝己 大方斐紗子 秋辺デボ マキタスポーツ / 井浦新
玉木宏 ・ 舘ひろし
- 原作: 野田サトル「ゴールデンカムイ」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
- 監督: 久保茂昭
- 脚本: 黒岩勉
- 音楽: やまだ豊
- 主題歌: ACIDMAN「輝けるもの」(ユニバーサル ミュージック)
- アイヌ語・文化監修: 中川裕 秋辺デボ
- 製作幹事: WOWOW・集英社
- 制作プロダクション: CREDEUS
- 公開: 1月19日(金)全国公開/IMAX同時公開
- 配給: 東宝
- ©野田サトル/集英社 ©2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会
◆公式サイト: kamuy-movie.com ◆公式X(旧:Twitter): @kamuy_movie
◆公式Instagram: @kamuy_movie ◆公式TikTok : @kamuy_movie
▼プロフィール
山田杏奈
2001年1月8日生まれ。埼玉県出身。2011年「ちゃおガール☆2011オーディション」でグランプリを受賞。
主な出演作は、『小さな恋のうた』『新・信長公記』『ゼイチョー〜払えないにはワケがある』など。
Model:ANNA YAMADA Photography:TAKANOBU SOUMA Styling:KAORU WATANABE Hair&Makeup:FUMI SUNGANAGA Edit&Text:RENA OMORI