俳優だけでなく、ミュージシャンやモデル、映画プロデューサーと多彩な顔を持つディーン・フジオカさんがGIANNA #12のW表紙、巻末ファッションページに登場。
ここでしか読めないWEB限定インタビューをアザーカットとともに公開。
──本号では“FEEL FREE”というキーワードをテーマに据えているのですが、ディーンさんが“自由”から連想することはなんですか?
人生の前半戦は、自由に対していい意味でもっと無責任でよかった気がするのですが、今は自由という言葉に対する可能性だったり希望、ワクワクする未来に向かって何かさらに面白いことが待っているんじゃないかという気持ちと同等に、ネガティブな自由もあったりするので、生きれば生きるほど、自由って難しいことなんだと感じます。自由ひとつとっても、時間の自由、物理的、経済的な自由など色々な捉え方もできますし。だからこそ追い求めてしまうのかもしれないですね。なので、自分の中で自由をどう捉えるのか改めて尋ねられると、すごく恐ろしい感覚にはなりますが、求め続けたから今の自分があるのだと思います。
──プライベートの自由な時間はご家族と過ごすことが多いですか?
一緒にいられる時間は限られているので、過ごせる時はそうしています。きちんと意図や意識を持って時間を使わないと、あっという間に過ぎ去っていってしまいますからね。まとまった時間があったら、子どもたちをスキー旅行に連れて行ったりもしたいです。子どもたちの雪に対しての熱量がすごく高いので、雪がある場所に出掛けたいなと。
──どのスタイリングも素敵に着こなす完璧なプロポーションに、編集部一同が終始圧倒されていましたが、普段から身体は鍛えていらっしゃるのですか?
鍛えるというよりはストレッチをすることの方が多く、インナー/アウターの概念を軸に、神経や脳へどうアプローチするかに重きを置いています。それこそ以前は、手脚などの末端をトレーニングしていましたが、今は末端からどのように刺激を加えて脳をトレーニングするか、骨格を効率的に使えているかという感覚でやっています。例えば、重力負荷が身体にかかることで、足裏がどう地面へ接着しているか、その反力から気功に作用する仕組みを探るなど。その方が立ったり歩いたりしているだけでもトレーニングなるので、道具もほぼ使わなくなりました。
──体調改善のためにグルテンフリーの生活をされているとのことですが、いつ頃から意識されていましたか?
明確にグルテンを口にしなくなってから、もう15年ほど経ちます。体調への影響に気付いてからグルテンを絶ったのですが、すごく良くなりました。今は日本でもグルテンフリーへの認知が高まって、特に東京は対応が進んでいるなと感じます。以前は概念の説明自体が大変で、周りからは肉を食べないベジタリアンと勘違いされることもありました。むしろお肉は大好きですし、小麦などグルテンが入っているもの以外は何でも食べるのですが、一時期は白米も食べないと思われていたり。でも自分も、食事法や栄養学の知識は一つひとつ勉強して理解していったので。グルテンフリーだから食べるではなく、美味しいから食べるという意識に変わりました。
──ヘルシーでいるために、ほかに内側から心掛けていることはありますか?
なるべく多く水を飲むようにしています。目標を作ると辛くなるので、喉が渇いたら積極的に飲むよう心掛けているというか。ただ、コーヒーとトレードオフみたいなところがあります(笑)。
──コーヒーがお好きなんですね!
コーヒーがないと頭がシャキッとしなかったり、考えがまとまらなかったりするので、美味しいサプリみたいな感覚です。仕事の現場に、エスプレッソマシンがあるかないかでテンションも変わります(笑)。実は元々コーヒーが苦手だったのですが、約8年ほど前に映画『海を駆ける』という作品の撮影で、インドネシア・スマトラ島先端近くのインド洋に浮かぶ島に滞在して。そこのコーヒーがまあ美味しいこと。もちろん苦手だったので、初めは半ば無理やりに飲まされました。粉にお湯を注いだだけの、コーヒー豆をそのまま噛んで食べる感じのもので、かなりチャレンジングではありましたが、実際に飲んでみたらすごくフルーティーで美味しかったんです。おかげでコーヒーに対するイメージがガラッと変わり、それを皮切りに色々な国のコーヒーを飲むようになりました。以前、ワンブロック内に何件もカフェが連なるシアトルに住んでいたのですが、その時はカフェに出向くことが全くなかったので、今思うと人生変わるもんだなと。いいのか悪いのか、コーヒー人生が始まってしまいました(笑)。
──コーヒーに出会うまで、その代わりになっていたものは何だったのでしょうか?
お茶だったのかな。中華圏に長くいたので、美味しいお茶が身近に沢山あって。種類も豊富で、混ぜて飲んだり、料理とのマリアージュを楽しめたので、十分満たされていたんだと思います。
──グローバルに活躍するディーンさんならではの気付きを教えてください。
お茶の話題に繋がりますが、日本に拠点を置いて活動するようになってから改めて茶道に出会い、圧倒され続けています。そこまで頻繁にではないですが、機会がある時はなるべく稽古にも行くようにしていて。精神的にも向き合えますし、例えば掛け軸に添えられた詩や飾られているお花、お香の意味から、茶器などの道具の由来や作者、歴史背景まで、その空間や時の流れをプロデュースする日本独特の文化、美学が溢れていて。子どもの時に勝手にそれとなく描いていた茶道とは全く異なり、直感的に感じるものが沢山あるのだと気付きました。それは他の国での生活や仕事を長いこと重ねてきてやっと、“気付ける”という自分の準備が整ったからだと思います。なんだか全体的に飲食の話が多くなってしまいましたね(笑)。
──そうですね!(笑) 以前苦手だったというコーヒーのほかに、苦手なことはございますか?
たくさんありますが、パッと思い浮かぶのは背泳ぎです。クロールも平泳ぎも得意ですし、スポーツ全般的に体を動かすことは大概できるのですが、背泳ぎだけびっくりするほど苦手で。というのも、今まではなんとなく我流で泳いでいたんですよね。でも最近、プロの水泳の先生に習い始めて、こんなに難しいのかと実感しました。自分が勝手にできていると思い込んでいただけで、まず基礎からできていなかったし、そもそも何を持って背泳ぎなのかという概念さえ間違っていました。アウターの力を抜かないといけないし、骨盤をどう引きつけ続けるかだったり、手を上にあげるだけで沈んでしまうので、胸椎の柔軟性なども重要で。人体の使い方の妙で、できるようになるから不思議です。
──お子さんが水泳を始めるようになってから、ディーンさんご自身も習い始めたのですか?
そうですね、自分が子どもに教えてあげたいという気持ちが半分。自分ができないことをできるようにする、それって教えるにもすごくメリットが高くて。もう半分は持久力の向上というか、 ツアーで長いライブステージを2~3日連続で行ったりもするので、そういう時に損色ない状態をずっとキープできるように、有酸素運動をするという意味でも水泳がベストだなと。遠泳をする方たちが1時間などを余裕で泳ぐように、ステージ上でずっと呼吸しながら歌い、走り回りながらというスタイルに1番近いなと感じました。
──ミュージシャンから俳優まで、幅広くお仕事をする上で軸に置いていることは?
それは常に自問自答していることです。なぜそれをやるのかという根源的な話に始まり、もっと細かく言えば、どうしたら技術的な面でクオリティを上げられるかなどをいつも考えています。でも基本軸はクリエイター、パフォーマーとして感動を生み出し、それを伝えていく。そのためのサプ ライズを、日々創り出さなくてはと思っています。それが自分の生業かなと。今回の撮影のお仕事もそうですし、音楽でも映像でも、どこの国、どの言語であろうと全てに共通していることであり、自分が自分と勝負していることでもあります。
──驚きや感動を生み出すための、源となっているものはなんなのでしょうか?
好奇心だったり、単純にやってみたいという欲求もあると思います。でも、それが自分のためだけだと限界がありますし、成長に繋がらない。例えばライブだったら、お金を払い時間を割いて、会場まで足を運んでくれる方がいる。皆で同じ時、場所にいて、同じ周波数で身も心も揺らしながら共鳴し合っている。そこで、もっとやらないといけないことがあるよね、と自分に対して思うんです。同様に、子どもたちに対して想う気持ちもあります。彼らがそれなりの年になった時に、父親は当時こういうことをしていたんだと、今だったら簡単に振り返れるわけで。その時に何を感じ取るのか、自分は何を伝えていきたいのかということも含めて、見せたいもの、届けたいことを活動の軸にしています。もちろん、父親としても格好つけたいですし(笑)。だからこそ何事も妥協は絶対しないですし、やるべきことを粛々ときっちりやり遂げることが、全ての根源と言えるかもしれません。そこはもう本気で、自分との勝負だなと思い活動しています。
──新しくトライしてみたいことなど、今後の展望はございますか?
真新しいことよりは、今まで重ねてきたことをさらに深めて広げたり、という方向に進む段階だと思っています。いろんなことを色々な場所で節操なくやってきて、人生の前半戦で思い描いていたことはほぼ形にはなっていますし、スタートは切れたなと感じているので。今後はそれをどう育てていくのか、どうクオリティを高めていくのか、もしくはエリアを広げていくのか。自分ひとりでは大きなことはできないので、目標を立てるなら明確な道標、具体的に描くことが、周りのためにも大切だと思うようになりました。その目標に到達するためのコミットメントも必要なので、がむしゃらに走っていきたいと思います。
PROFILE 俳優・ミュージシャン ディーン・フジオカ
1980年8月19日、福島県生まれ。2004年に香港でモデルの活動をスタート。映画『八月の物語』(2005)の主演に抜擢され俳優デビュー。2006年に台北へ拠点を移し、ドラマ・ 映画・TVCF等に出演。2009年には音楽制作の拠点をジャカルタに置き、2011年から日本での活動も開始。2015年以降は東京を拠点に、アジアの縦軸で活動中。この度、主演を務めるHuluオリジナル『パンドラの果実~科学犯罪 捜査ファイル~』Season3が、Huluで独占配信スタート(毎週日曜日に新エピソード追加)。
応募方法/郵便ハガキに次の必要項目をご記入の上、GIANNA #12誌面内の「SHOPLIST」ページの応募券を切り取りハガキ裏面に貼って、ご応募ください。1 氏名(フリガナ)2郵便番号3住所4年齢5電話番号 6メールアドレス7職業 8今注目のイケメンは?
応募先/〒151-0053 渋谷区 代々木5-38-8 今井ビル3F GIANNA編集部「ディーン・フジオカ チェキ」プレゼント係
応募締切/8月30日(金)当日消印有効
GIANNA #12ご購入▶WEB&書店販売店検索🔗
Edit&Text:SEIRA MAEHARA