たぐいまれな才能と洗練されたビジュアルで、日本だけでなくアジアでも活躍を見せるアーティストNOAがFASHIONグラビアに登場。 三カ国語を話す彼はその言語ごとに違う自分がいると話す。三つの顔を持つ彼の多面性とは? 限定インタビューをアザーカットとともに公開。
──今回約1年ぶりのGIANNAの撮影でしたが、撮影はいかがでしたか?
今回は色でそれぞれキャラクターが違って、メイクも普段しないような青色のラインを入れたりと、すごく楽しかったです。いろいろな自分を演じられて刺激的な撮影でした。
──普段はどんなファッションが多いですか?
ざっくり言うとストリート系が多いです。大きめなシルエットの時もあれば、最近は丈の短いTシャツもスタイルが良く見えるので好きですね。
──他に挑戦してみたいスタイルはありますか?
ジャケットをさらっと羽織れるようなファッションもかっこいいと思います。ジャケットに足元はコンバース履いたりして抜け感を出すスタイリングなども最近は見たりしています。
──普段私服を決める時のこだわりはありますか?
最近は同じデニムを履いたりと偏ってしまっていたので、それを毎日変えるようにしています。強制的に「今日はこのデニムを履く!」と決めて、それに合うトップスを選んだりしています。あとは、スニーカーやブーツの選び方は自分なりのこだわりがあって、「このデニムだったらこれ」と決めています。
──お仕事についても聞かせてください。NOAさんのオリジナリティは何ですか。
3か国語がしゃべれるからこそ生まれる表現力があると思っています。それがあったので今回のアルバムも生まれました。改めて「自分の個性は何だろう」と考えた時に3か国語をしゃべる時にそれぞれの言語で人格が違うと思ったので、それが個性だと思います。今回の楽曲も日本語や韓国語、英語が入っていて、それは自分だからこそ作れるものなんじゃないかと思っています。
──NOAさんにとって音楽や表現はどんな存在ですか?
自分の武器でもあり、頼りたくなるような存在です。日々の疲れを吐き出すために音楽を使う時もあれば、楽しくて音楽を使う時もあります。あとは、音楽を武器にして、人に伝えるための方法として使ったりもします。いろいろな存在ではありますが、無くては生きていけない存在です。
──インスピレーションはどこから受けることが多いですか?
僕は作品を観たり、最近は友達の話から受けることもあります。友達の話を聞いていて、「めっちゃいいね」や「そんなのありえなくない?」といった感情から自分なりに解釈して歌詞を書くこともあります。でも、一番はある程度自分の実体験も混ぜながら書いています。いわゆる手紙のような感覚ですかね。
──曲やメロディなどのインスピレーションはどこから来ていますか?
いつもあまり考えすぎずにやっています。何も考えずに歌っていて、出てきたものをメロディにしていることが多いです。風呂では特に、メロディに限らずいつもいろいろなアイデアが思い浮かびます。
──作詞や作曲、ダンスの振り付けなどいろいろなことをされていますが、一番難しいのはどれでしょうか?
一番時間がかかるのが作詞なので、それが一番難しいと思います。いろいろ考えすぎてしまう部分もありますし、以前はまず日本語が分からないところもあったので、結構そこで手こずって時間がかかっていました。どうしても期限もあるので、自分なりに「この日には仕上げる」と決めたりしますが、結局生まれない日は絶対に生まれないですし、逆にオフにしようと思っていたけどめちゃくちゃ思い浮かんできて仕上げてしまうケースもあります!
──去年もたくさんLIVEされたりと大活躍でしたが、この1年でNOAさんが変わったところはありますか?
去年は初めてのことばかりだったので、良くも悪くもずっとワクワクしていて、あまり落ち着きがなかったと思います。アリーナ公演が終わってからやっと自分を振り返ることができて、少し落ち着きみたいなものが以前より生まれたのかなと思います。なので、冷静にいろいろなものを見られるようになったと思います。
──今後、世間の方にどんなイメージを抱いてほしいですか?
“世界に向けて発信していけるアーティストになること”が1番の目標なので、世界で活躍している印象を持っていただけるアーティストになりたいです。お芝居も機会があればどんどんチャレンジしていきたいですし、お芝居でも日本に限らず、英語や韓国語のお芝居など海外でも活躍して、いろいろなことをグローバルにやっていきたいです。
──今回のアルバムについても聞かせてください。アルバムテーマが決まったきっかけはありますか?
今回のアルバムは1つのテーマに絞ろうかと考えていたのですが、自分自身を振り返った時に、3か国語を喋る中でファンの皆さんから「それぞれの言語でNOAくん性格違うね。」と言われて、それを曲に落とし込んだら新たな自分の発見や聞いてくださる皆さんにとっても新しい化学反応があるんじゃないかなと思い、今回のテーマを決めました。今回一緒にアルバムを作ったSunnyさんというプロデューサーさんから「Primary Color(三原色)」というワードがぴったりなのでは? という話になり、曲を色分けしていきました。
──3カ国語それぞれで、NOAさん自身はどう変化していると思いますか?
韓国語は情熱的で1番大人っぽいです。韓国語を喋っている時は落ち着きがあるので、自分では一番大人っぽいのかなと思っています。日本語はすごく丁寧で、少し人見知りで内気な感じになると思います。あとは声のトーンが少し上がります。英語はすごくフランクになって、自由な感じになります。気軽に人に接することができて、初対面でも普通に挨拶しに行ってしまいますね!
──制作活動を行う上で大切にしていることがあれば教えていただきたいです。
今回のアルバムを作っていて、急に「自分何やっているんだろう」とネガティブモードに入ってしまった時期がありました。曲が出てこなかったりもしたのですが、一緒に作っていたSunnyさんが、「誰かに喜んでもらうためにやっているんじゃない?」と言われて、やはり手紙書くように作詞をしていたりするので、「誰かに届けたい」という気持ちが1番大事なんだと気付かされて、このアルバムもそういった想いを大切にして作ったアルバムです。
──1stアルバムからの違いはありますでしょうか?
今回は全体を通してすごく厚みが増したと思います。実際に曲のジャンルの幅も広がりましたし、僕が伝えたいメッセージも以前だったら書かないワードもありました。今までは結構遠回りして言っていたことを今回はドストレートに書いているので、一つ大人になれたのかなと思いますし、音も全面的に僕とSunnyさんが携わっているので、ライブ会場で聞いた時の迫力は前作よりすごいんじゃないかなと思います。
──今回のアルバムでお気に入りポイントがあれば教えてください。
色で曲を分けているからこそ、それぞれの曲に特徴があって、トラックリストも今回は赤、青、緑と分けています。赤と青の間にある1曲は人によって青に聞こえたり、赤に聞こえたりとグラデーションのような存在になっていたり、それぞれの曲が聞いて下さる方によって楽しみ方があると思います。それが化学反応となるアルバムになったと思います。
──お気に入りの曲はありますか?
今回は達成感が前作よりすごくあって、全部お気に入りです。「NOANA」の声が入った『00:02 (You & I)』もすごく感慨深い曲になりました。
──今回のアルバムで赤は情熱や強さを表現しているとのこのですが、NOAさんがエネルギッシュに活動する瞬間はいつですか?
制作のタイミングです。やはりそれを持ってライブをしたり、曲を作ってイベントで皆さんに会いに行ったりするので、きっかけというところでは、これが1番大事です。あとは、他の方に「もういんじゃない?」と言われても、自分の中でそれがしっくり来ていなかったら、とにかく自分が納得するまでずっとやるので、1番情熱的にならないといけないですし、情熱的になっているタイミングです。
──センチメンタルや知性、冷静を表現した青ですが、NOAさんが壁にぶつかった経験はありますか? また、乗り越え方があれば教えてください。
韓国にいた時に「日本に戻る」という決断をした時はめちゃめちゃ大きな壁でした。韓国でやっている時はまさかそんなに大きい壁が自分の前に現れるとは思っていなかったので、それを乗り越える時はとても大変でした。僕は母に何でも話すので、そこでの会話もすごく救いになっていますし、自分を見つめ直しました。当時、一緒に練習していた長年の友達にも常に相談していたので、そういった周りの力も壁を乗り越える方法の一つでした。相談したくても、結構1人で抱え込みがちで、すぐバレるんです(笑)。「なんかあるでしょ。」と言われて「実は…」みたいな感じで話しています。
──緑は幸福やリラックスを表しているとのことですが、NOAさんが幸せを感じる時を教えて下さい。
ライブ中です。ステージ上でファンの皆さんの顔見ながら歌っている時が本当に幸せだといつも感じています。今年はホールツアーもありますし、リリイベもいろいろな場所に行かせていただくので、今年は毎シーズンファンの皆さんと一緒にいられるかもしれないです。
──リラックスできる時間はありますか?
最近は仕事に行く前にジム行って走ったり、お風呂やサウナに入って体もマインドもスッキリしています。アルバムの制作のタイミングから行き始めたのですが、朝ジムに行くだけで1日が全然違います。あとは、家でラッフィーが常に一緒に寝たがってくれるので、かわいくて癒やされます。不思議と疲れている時に限ってくっついて来てくれるので、何かを分かってくれているのかなと思います。
──そんなNOAさんの三原色が混ざり合うと何色になりますか?
パーソナルな部分で言うと、紫が自分の色だと思います。性格や普段のキャラクター的にも紫が近いのですが、今回のアルバムで言うと、白が今の自分を一番表していると思っています。あえて色がない状態にしていて、だからこそいろいろな人と混じり合った時に色が重なり合うと思います。
──先程NOANAの声が入った曲もあるとのことですが、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
今回『00:02(You & I)』でファンの声を入れるのは、『Purple Sky』を作っている時から考えていたのですが、当時は間に合わなかったので、今回のアルバムのタイミングになりました。曲の意味として、「君の1秒と僕の1秒を重ねて、まだ伝えたいことがあるんだ」という意味での2秒なのですが、去年ライブをしながら、毎回皆さんに感謝の気持ちがありつつも全部が伝えきれていないと思ったんです。そういったメッセージを“伝える、書く”となった時に、ファンの皆さんが僕の中で第1に存在して、そこにファンの皆さんの声が加わることによって、より曲の意味も厚みが増すと思いました。常に僕はやっぱファンの皆さんと一緒に作っている感覚なので、これは“ファンの皆さんと一緒に作った曲”ですね。
──今回、雑誌全体テーマが「Story Beginning」でした。NOAさんの人生が大きく変わった出来事はありましたか?
僕はやはり「韓国に行く」と決断した時です。今の自分だといろいろと考えてしまいますが、当時は良くも悪くも何も考えずに行ったので、その結果が今に繋がっていると思います。あの時韓国に行かない決断をしていたら、多分僕はこの場にいないですし。この仕事もしていないと思うので、始まった場所はそこだと思います。それをプッシュしてくれた母にも感謝していますし、「韓国に言って良かった」と強く思います。
PROFILE ソロアーティスト NOA
作曲、作詞、ダンスの振付まで手掛けるトリリンガル(日本語・英語・韓国語)ソロアーティスト。2023年2月に1stアルバム『NO.A』をリリースし、5月に自身初のワンマンライブをEX THEATER ROPPONGIにて開催。その後、香港・台北・バンコク、ソウルをまわるアジアツ アーを経て、9月には有明アリーナにて2DAYSを成功さ せた。2ndアルバム『Primary Colors』絶賛発売中。