CHARISMATIC AI TOMINAGA with GIORGIO ARMANI

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比類なき存在感で、世界をまたにかけ羽ばたき続けるトップモデル・冨永愛と、モード界にて確固たる地位を確立してきた、イタリアを代表するブランド・GIORGIO ARMANI。カリスマ性を宿した才華爛発な両者の出会いは、ビッグバンのように魅惑の引力を放つ。

coat¥2,090,000〈reference price〉 belt〈reference color〉¥242,000 boots(on cover)¥190,300 all by GIORGIO ARMANI/GIORGIO ARMANI JAPAN

ーー“CHARISMATIC ”を題材とした本号。まさにモデル界のカリスマ的存在である冨永さんにとって、ご自身のカリスマ性を支え、構築しているものはどんなことだと感じられますか?

無論、自分では自分のことをカリスマ的だとは思っていないので、答えるのがとても難しいですが、モデルとしてカメラの前に立って表現をすることが大好きですし、とても楽しいです。作品としての表現は無限に存在するので、ひとつとして同じものはありません。それが面白くて飽くことがないので向上心を持って続けられています。その結果が今の自分に繋がっているのかもしれません。

ーーお仕事をする上で芯に置いていることは?

“やれるだけのことをする”という志はどんなお仕事にも共通していて、今ある自分を全投入する、そのスタイルはずっと変わらないです。そしてモデルとして自分がどうあるべきか、例えば健康面もそうですし、ビジュアルの部分などでも常に追求を続けています。それは細いとか痩せているといった話ではなく、“冨永愛”がどうあるべきか。年齢を重ねながら今後さらにどうあるべきか、ということを考えながら追求していくことです。

ーー年相応にといったことでしょうか?

それは全く考えていないです。年相応にしなくてはと思ってしまうと、オーディナリー=普通になってしまうので、自分のことはなるべく第三者の立場に立って見つめるようにしています。自分がどういたいかを思い描くほうが大事なのかなと感じています。

ーー冨永さんにとって“モデル”とは?

モデルの定義は服に命を与え、服を着て表現をする人ということ。いたってシンプルでありながらすごく奥深い仕事なので、表現するとはどういうことなのかを突き詰めたくなるのだと思います。どの作品も、自分だけでなく多くの方が携わることで完成するものなので、感じ取ることがすごく大事だなと。端的に言うと、こういう方向に行くんだなとその場の流れを感じ取って、自分がどう動くべきかを五感を駆使して判断する。そういう自分の琴線的なものは大事にしています。どう鍛えるかは難しいですが、経験はもちろん、モデルとしてアウトプットしているという意味で、やはりインプットも大切だなと思います。そういうものを感じ取れるバイブス、感性。自分の奥深くにあるものを衰えさせずに、敏感にしておくことも芯に置いていることのひとつです。

ーー年を重ね、身に纏うファッションや好みにも変化はございましたか?

自然と好みは変わってきていると思います。こういう世界にいると、どんなことやものが流行っているかなどは意図的に追わずとも肌身で感じるので、その中で色々なテイストを自分なりにキャッチしているのだと思います。ただ、着たいものを着ているだけという感じで、あまり枠として捉えず様々なスタイルを取り入れています。ショッピングをするにしても、店頭では自分に合うサイズが置かれていないことが多いので、洋服を買いに足を運ぶ機会も少なくて。足の サイズも大きめなので、10代の頃は小さめのサイズを無理やり履いて、足にタコを作ったりと苦労しました。ハイブランドのお仕事をいただくようになり、やっと自分に合うサンプルサイズに出会うことができたので、撮影などで着用していいなと思ったものを購入させていただいたりすることが増えました。

ーー社会貢献に根差した様々な活動をされていらっしゃいますが、世界を見て感じたこと、また世界に向けて今発信したいことはどんなことですか? 私たち一人ひとりができることはありますか?

今、世界で起きている戦争を終わらせてほしいです。アンバサダーを務めているジョイセフやWFP(国連世界食糧計画)を通して私も支援をしてきましたし、常に色々なアンテナを張るよう心掛けています。支援には「知ること・考えること・行動すること」というスリーステップがあり、アンバサダーは自分が興味を持ち、支援したいと以前から思っていた団体で務めさせていただいています。まず知ることから始めないと、どんな行動も起こせない。社会貢献をはじ め、何かの助けになることをしたいと考えるのであれば、まず知ることから始めてみてください。多くの活動団体がありますし、自分の興味を惹くもの、心に引っかかることを探してみて、その団体や活動内容を支援したりと、スタートはそのアクションからだと思います。その一つひとつが本当に大きな助けに繋がると感じています。

ーー社会貢献然り、やりたいことや好きなことへの挑戦に躊躇してしまう人も少なくないと思うのですが、一歩踏み出すためのアドバイスをいただきたいです。

考え過ぎてしまい、その場に止まってしまったりすることもあるのだと思いますが、まさに一歩を踏み出さないと何も変わらないし、何も生まれないもの。自分を変えたい、夢を叶えたいという想いも、その一歩を躊躇していたらずっとそのままなので。社会貢献においても、何かしたいなという気持ちはとても分かります。震災の際、私も何かしなくてはという想いに駆られたのですが、どうしても大きなことばかり考えてしまって。でも、そんな大きなことは急にはで きないものですよね。先ほどの話に戻りますが、知ることで少しずつ広げていく。知ることができたら伝えることもできる。選択肢はいっぱいあるので、頭でっかちにならず自分に余裕ができた時のために、ここなら支援できるという場所を探しておくことが、一歩に繋がると思います。

ーー身も心もヘルシーでいるために、日頃から意識していることはございますか?

自分が今どういう状態なのかを知るなど、心と身体に寄り添うことを心掛けています。年齢によっても心身はとても変わりますし、特に女性はホルモンに左右されやすいので、影響を受けた時にどういう方法なら心が癒されるのか、自分の身体がどこまでいったら悲鳴をあげるのかなど、自分が自分のいちばんの良き理解者であることが大切だと思っています。自分の身体の声を聞いて、「AをしたらBになる」という方程式を知ること。例えば、すごく落ち込んだ時にその原因を探ってみたり。生理前なのか少し無理をしたからなのか、それとも脂っこいものをいっぱい食べたからなのかなど、私もそういった試行錯誤を重ねてきました。結論に行き着いた途端に年齢が変わり、合っていたものが合わなくなったりとまた変化したりするので、常に追いかけっこなんです。肌質なども良い例です。自分と向き合う、と聞くとストイックに感じるかもしれませんが、心身の健康においてはジャストな答えがないからこそ、自分自身を大切にすることが大事だと思います。

ーー今はどんな時にいちばんの幸せを感じますか?

今までもずっとそうですが、家族といる時が一貫していちばん幸せです。

ーーラーメンが度々話題になりますが、冨永さんにとってのご褒美は?

もちろんラーメンは大のご褒美です(笑)。休みも定期的に取るようにはしているのですが、ご褒美と考えるとやっぱり食事です。ラーメンも普段からすごく我慢しているというほどではないのですが、ひとつ言えることは、年齢を追うごとに食べられなくなるものが増えてくるのかなということ。太るからという理由ではなく、胃腸の調子が追いつかなくなる感覚です。食べもの以外で挙げるとしたら、例えばジュエリーなど、高価なものの付加価値が年齢とともに分かるようになってきたので、そういう欲しかったものを購入することもご褒美になっています。

ーーこれだけは譲れないというマイルールはありますか?

色々と思い当たることはありますが、自分をあまり縛りたくないので、逆に自分の中でマイルールを作りたくないんです。どちらかというとフレキシブルに動いているというか。週に何回はトレーニングする、肌をケアするといったことは仕事として行っているので、もうこれ以上はいいなと。大袈裟に言うと、顔も洗わないで過ごしたいくらいです(笑)。ルールを作らないことがマイルール。

ーー今後の展望を教えてください。

俳優のお仕事も一生懸命やらせていただいていますが、モデルを辞めるつもりはないですし、今後もスタンスは変えず、バランスを保ちながらどちらも丁寧にやっていきたいです。他のことに挑戦する機会も出てくるかもしれないですし、今という時間を大切に。年末には映画『グランメゾン・パリ』の公開、そして2025年は大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺 〜』の放送も控えているので、ぜひ皆さんに観ていただけたら嬉しいです。

ーー2024年を振り返り、この1年はいかがでしたか?

やれるだけのことはやりきりました。「今年も頑張ったね、偉い」という言葉を自分にかけたいです。細かいことは考えないタイプなので、「うん、それでいい の」と思えることも自分を大切にすることのひとつになっています。特に年末は、あれはできていないしこれもしないと、と焦りがちですが、昨年から焦ること自体をなんとかやめようと意識していて、頑張った頑張ったと、とにかく自分を褒めるようにしています。2025年も素敵な年になりますように。皆さんにとっても!

PROFILE

モデル・女優 冨永 愛 Ai Tominaga

17歳でNYコレクションにてデビューし、一躍話題に。以後、世界の第一線でトップモデルとして活躍。モデルのほか、テレビ、ラジオ、イベントのパーソナリティ、俳優など様々な分野にも精力的に挑戦。俳優としては、2019年放送のTBS日曜劇場『グランメゾン東京』 をはじめ、2023年から放送されたNHKドラマ10『大奥』では吉宗役として主演を務め話題となる。日本人として唯一無二のキャリアを持つスーパーモデルとして、チャリティ・社会貢献活動や日本の伝統文化を国内外に伝えるなど、活躍の場をクリエイティブに広げている。2024年4月、全国の伝統文化を訪ねる番組『冨永愛の伝統to未来』(BS日テレ)がスタート。公益財団法人ジョイセフ アンバサダー、消費者庁エシカルライフスタイルSDGsアンバサダー、 ITOCHU SDGs STUDIO エバンジェリスト。著書に『冨永愛 美の法則』『冨永愛 美をつくる食事』(ともにダイヤモンド社)、『冨永 愛 新・幸福論 生きたいように生きる』(主婦の友社)など。

Model:AI TOMINAGA(CROSSOVER) Photography:MACIEJ KUCIA(AVGVST) Styling:RENA SEMBA Hair:SHINGO SHIBATA(eight peace) Makeup:TOMOMI SHIBUSAWA(beauty direction) Edit&Text:SEIRA MAEHARA