話題のNetflix映画『10DANCE』でW主演を務める竹内涼真さんと町田啓太さんのインタビューを大公開

COLUMN

話題のNetflix映画『10DANCE』でW主演を務める竹内涼真さんと町田啓太さんが表紙に登場。様々な経験により大人の渋さや重厚さを醸し出す、まさに男が憧れる男たちの筆頭だろう。そんな二人がおよそ8年ぶりにNetflix映画でW主演を務める。撮影の秘話やお互いの印象について深掘りする。

Netflix映画『10DANCE』 W主演:竹内涼真×町田啓太/監督:大友啓史

お二人は8年ぶりのご共演とのことですが、改めて気づいたことや、お互いから受けた刺激はありましたか?

町田:僕はそもそも竹内くんに影響を受けて『10DANCE』に合流したんです。ダンス未経験で出演を決めるって、相当な覚悟がいりますよね。仕上がらなかった時のダメージが大きすぎるじゃないですか。そのリスクを背負ったこと自体、まずすごいなと思いました。現場に入ってからも、彼は自分の調子を上げながら、周りも自然と引き上げていくんです。士気がどんどん伝染していく感じ。それはやっぱり竹内くんならではだと思いました。あと、大友(啓史)監督との相性も抜群で、無邪気に楽しみながら、でも本気で熱量高くやる。「ああ、本当に芝居が好きなんだな」と伝わってきました。

竹内:僕は、町田くんの丁寧さとか、いい意味での愚直さにすごく影響を受けましたね。自らきつい練習に向かっていく姿を何度も見ていて、1セットやった後に「え、これからあと2セットいくの!?」って驚くことも多かったです。結果、僕も追加で2セットやらざるを得なくなったんですけど(笑)。 

町田:(苦笑しながら)僕の合流が遅くて、練習時間が圧倒的に足りなかったので、量で追いつくしかなかったんです。

竹内:「全世界を相手に恥はかけない」というプレッシャーがあったよね。あのプレッシャーを乗り切るのは、普通の精神力じゃ無理だと思う。土居(志央梨)さんと石井(杏奈)さんを含めて、この役を日本で演じられるのは僕ら4人しかいない、と本気で思っています。

まさに、本作のナレーション「肉体も精神も極限まで追い詰められる、実はゴージャスなトライアスロン」そのものですね。さて、今号のテーマは「SECRET ALLURE」です。お互いに感じる“秘められた魅力”を教えてください。

町田:本作ではダンスで体を酷使するので、メディカルチームが帯同してケアをしてくださっていたんです。撮影時期、僕は増量していて、スタジオにコンビニで買った食べ物などを置いてちょこちょこ食べていて……。後で知ったんですが、竹内くんが僕の食べているものをこっそりチェックして、メディカルチームの先生に「これは控えた方がいいかもしれません」って伝えてくれていたらしくて。僕の体調を陰で気にしてくれていたんです。

竹内:糖分を摂らないと体型を維持できないくらいハードだったんですよ。でも、急に血糖値が上がると反動があるから、先生から言ってもらった方がいいかなと思って。そうやってお互い助け合わないと、本当に乗り越えられない現場でした。

町田:おかげで、撮影期間を無事に走り切れました。ありがとう!

竹内さんは、町田さんの“秘められた魅力”についてはいかがでしょうか?

竹内:町田くん演じる杉木信也が専門とする「ボールルームダンス」は、ひとつ狂うと全部が狂い始める、めちゃくちゃ頭を使うダンスなんです。そこを細部まで緻密に積み上げていくところが、町田くんらしさであり、魅力でもあると感じました。僕はラテンダンス向きのタイプなので、もし杉木を演じていたら、勢いで誤魔化してしまっていたかもしれません。でも、町田くんは絶対にそうしないんですよね。

町田:心配性でビビりなんですよ(笑)。

竹内:その“心配性”が、杉木という役には必要な性質で。撮影中も感じていたけれど、完成版を観て「見事なキャスティングだな」と思いましたね。僕らは二人の信也のように、「ここをつかめればいける」というポイントが違うんですが、最後は不思議とかみ合うんです。別の角度から攻めて、最後にパズルのピースがハマるような感じでした。

先ほど「ラテン向きのタイプ」とおっしゃいましたが、それはダンス講師の先生から言われたことですか?

竹内:先生からも言われましたし、町田くんにもずっと言われていました。原作を読んだ時から、自分がやるなら鈴木信也だと思っていたので、キャスティングを聞いた時は「やっぱりな」と思いましたね。

町田:僕も原作を読んで、「自分が演じるなら杉木だな」と思いました。ただ、憧れは鈴木なんです。昔、ヒップホップをやっていたこともあって、ラテンの自由さには憧れますね。

竹内さんはダンス未経験からのスタートでしたが、どんな練習から始めましたか?

竹内:ラテンチームの先生が、基礎からしっかり教えてくださいました。とにかくそれを信じてやるしかなかった。ラテンには「美しい重心の位置」というものがあり、それを見つけるまで時間がかかるんです。そこがつかめないと雰囲気が出ないらしくて。

美しい重心の位置とは?

竹内:どう表現すればいいのかな……。体はぐっと伸びているのに、重心はしっかり下に落ちている状態です。ただ、その良し悪しは正面から見てもわかりません。競技者は背中にゼッケンをつけるので、審査員は後ろ姿を中心に評価するんですね。だからこそ、後ろ姿が美しくなければいけない。先生からは「鏡に映るものは嘘だと思いなさい」と、よく言われていました。

町田:ボールルームも同じように、上から絞られていくような感覚がありつつ、重心は落とすようにと指導されました。さらに、肘のポジションが決まっていないと、美しいシルエットに見えません。

なるほど。ダンス練習のほかに、筋トレなども取り入れていたのでしょうか?

竹内:僕は上半身を見せるシーンがあったので、別でトレーニングをしていました。ただ、ダンサーとして必要な体は、練習を重ねるうちに自然と仕上がっていきましたね。

町田:やっているうちに、体つきが変わっていくんですよね。お尻がどんどん上がっていくとか。僕はもともとイカリ肩なんですが、肩甲骨を落として胸郭を締める動きを続けていたら、だんだんなで肩になっていきました。あと、僕は「帝王感」を出さなければいけなかったので、体に厚みをつけるために、増量を始めたんです。ただ、ダンス講師の先生からは「腕と肩には絶対に筋肉をつけないでください」と言われていて。ボールルームは、肘を上げたときのラインが平らで美しいほど評価されるので、腕と肩は細く保ちながら、体幹だけ厚みをつけるというのがとても難しかったですね。

竹内:練習が始まってから撮影が終わるまで、ずっと練習していた感じだよね。この作品に全部を預けていたというか、仕事も生活も全振りしていたじゃない? ダンスシーンでは、常に相手に触れているので、その日調子がいいのか悪いのか、何も言わずともお互いにわかるようになっていきました。

町田:「今、つかんだな」とか「苦しそうだな」っていうのが、手に取るように伝わってきましたね。些細なことも敏感にキャッチしようと思うし、撮影が進めば進むほど、呼吸が合っていく感じがありました。

竹内:そうそう。だから「あ、いけるな」と感じた時は、通じ合えた実感が強くありました。そんなふうに、ダンスシーンがハードだったからこそ、芝居だけのシーンは楽しくて仕方がなかったです。

町田:僕はダンスに必死すぎて、芝居だけのシーンになると「あれ? セリフってどう言うんだっけ……?」と戸惑っていました(笑)。

ダンスの「リードとフォロー」は、演技にも通じるものがありましたか?

竹内:ありましたね。特に「姫ワルツ」のシーンは、町田くんにリードしてもらいました。鈴木が言うことを聞かなくて女性側をやらされるんですけど、相手を受け入れ始める分岐点でもあるので、監督もすごく大事に撮られていて。反対に、ラテンの時は僕がリードしました。

町田:ボールルームは型が明確に決まっていて、そこをどれだけ研ぎ澄ませるか、という世界なんです。一方でラテンは、周囲の空気を巻き込んでいくような感覚がある。竹内くんにリードしてもらいながら、その自由さというか、ラテン特有のフィーリングを味わいました。練習を始めた当初、先生方から「2人の体重感」という話をされたんですが、言葉で説明されてもいまいちピンとこなくて。でも実際に踊ってみると「ここまで相手に体重を預けていいんだ」と、感覚がつかめたんです。男同士で体格が近いからこそ、フルパワーでぶつかれるというか。それがすごく気持ちよかったですね。

竹内:女性パートナーと踊るのとは違って、もっとお互いを“使える”んだよね。

町田:そう! パートナーが女性だと、どうしても遠慮してしまう部分があるんです。自分の方が力が強い分、危なくないように、微調整しながらやるんですけど。それが、竹内くん相手だと「いけるな」って思えるんですよね。フルパワーでも受けてくれるし、「もっとやろう」って促してくれることもあって。体格が近いから、右の指先から左の指先までの距離感もつかみやすくて、2人で一体になれる感じが強かったですね。

竹内:最後のほうは阿吽の呼吸で、お互いの調子を見ながら「ここはもう少しいこう」「ここは自分が助けるね」って、自然と役割分担をしていましたね。触れた瞬間に「もっと委ねていいな」って自然と思えるんですよ。

町田:先生方にも迫力があるって言われたよね。映像でどれだけ伝わるか分からないけれど、ターンの時の遠心力がすごくて。耳元で風の音が聞こえ始めるんです。

竹内:重さがぶつかり合うから、スピードも上がるんですよ。ちなみに僕、ボールルームはフォローのほうが好きです。町田くんの滑らかな運転でどこかに連れて行ってもらっているようで、 心地よくて。

町田:先生方にも「すごく素直で乗りやすいボディだね」って言われました(笑)。

竹内:本当にすごいですよ。町田くんがリードの時、くるくる回されたりすると、本当に天国に行ったような気分になる。頭がふわーっとして、お花畑にいるみたいなんです。

ダンスに集中しながら、感情表現もしなければならなかったと思いますが、何か意識した点はありましたか?

竹内:競技ダンスって、むしろ「意図的にやらない」ところに美しさがあるんです。紳士のスポーツなので、感情は抑える。もちろん、ブラックプールで鈴木が激しく踊ったのは、それを飛び越えるほど感情が溢れたからですけど。競技ダンスの基本は、ラテンならいかにパートナーを美 しく見せるか。自分だけが目立つんじゃなくて、2人でひとつの表現を作るところにあるんです。アームの動きや、エイトロールっていう「美しくあるべき腰の動き」も、意識的にコントロールしよ うとすると逆効果で。体の構造に沿ってダンスが設計されているので、重さをかけることで自然に動くのが望ましいんです。なので感情面も、自然と湧き出てくるものを大切にして、意図的に何かを足したりはしませんでした。

町田:僕は、杉木の「帝王であるべき」「紳士とはこうあるべき」という像を示すために、あえて頑なさをにじませました。内側にあるものをどれだけ隠せるか、悟られないようにできるか――そんな意識で演じましたね。

「秘められた魅力」というテーマにもつながりますが、表に見せる部分と秘める部分のバランスは、どのように考えて演じられましたか?

竹内:本作の場合、序盤は杉木と鈴木がお互いに反発し合っているので、得意なところは堂々と見せる一方で、弱い部分は自然と隠れる……そんな関係性が最初からできていた気がします。鈴木が杉木のダンススクールに入っていくシーンなんて、まさにアウェーに飛び込む瞬間ですよね。扉を開けたらそこは杉木の領域。だから、飲み込まれないように自然とギアを上げていく感覚がありました。

町田:杉木としては、自分のフィールドに「土足で踏み込まれた」ような気持ちがあって。もちろん呼んだのは自分なんだけれど、侵食される怖さもあるし、でもどこかで刺激を求めてもいる。その揺れを悟られないようにしつつ、大事に演じました。

竹内:鈴木も反発してはいるけれど、冒頭で杉木のダンス映像を見ていますからね。心の奥底には、相手に惹かれている部分がはっきりあるんです。素直になれないまま挑発し合って、ときどき本音がこぼれてしまう。人の弱さや脆さって、 相手を許した瞬間にようやく顔を出すものだと思うので、その「にじみ出る瞬間」を、お互いに少しずつ引き出していった感じです。

町田:二人とも、「相手が隠しているものを知りたい」という欲がどこかにあって。でも簡単には踏み込まない。その頑なさが、少しずつ解けていく過程が、この関係性の面白さだと思いました。最初なんて、完全に腹の探り合いで、客観的に見れば「仲良くすればいいのに」って思うくらい (笑)。でも、ぶつからないと分かり合えないし、弱みもさらせない。不器用だけど、そこがいじらしくて、愛おしいんです。

竹内:本当に、二人の関係性そのものが愛おしかったですね。

Netflix映画『10DANCE』

W主演:竹内涼真×町田啓太/監督:大友啓史

衝突するプライド、重なり合う身体甘く刺激的な男性同士の愛とダンスの物語

12月18日(木)よりNetflixにて世界独占配信スタート

俳優 町田啓太

1990年7月4日生まれ、群馬県出身。2010年に俳優デビュー。14年、NHK連続テレビ小説『花子とアン』で主人公の義弟役を演じ、一躍注目を集める。その後、大河ドラマ『西郷どん』 (18年)、ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使い になれるらしい』(20年)、大河ドラマ『青天を衝け』(21年)『光る君へ』(24年)、Netflixシリーズ「グラスハート」など数々の作品に出演。連続ドラマW池井戸潤スペシャル「かばん屋の相続」の第1話「十年目のクリスマス」(25年12月)では主演の永島慎司役を、Netflixシリーズ 「九条の大罪」(26年春)では壬生憲剛役として出演を控える。

俳優 竹内涼真

1993年生まれ、東京都出身。2013年に女性ファッション誌男性専属モデルオーディションでグランプリを獲得。翌年「仮面ライダードライブ」で主演に抜擢。代表作に、連続テレビ小説『ひよっこ』、ドラマ『過保護のカホコ』『陸王』『君と世界が終わる日に』シリーズ、『六本木クラス』など。放送中のドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)の海老原勝男役が話題。2026年は1月期放送ドラマ「再会」(テレビ朝日系)、4月から公演のミュージカル『奇跡を呼ぶ男』に伝道師ジョナス・ナイチンゲール役として出演。