俳優・大原優乃、ドラマ『あにいもうと』の舞台裏と、初フォトブックに込めた思い

COLUMN

テレビ朝日系の新ドラマ枠「サタデードラマ10(テン)」の第1弾として、10月からスタートする『あにいもうと』。榮倉奈々と赤楚衛二がW主演を務め、2組の兄妹の切ない運命が交錯する禁断のラブ・サスペンスだ。主人公・春木奈緒と同じ「汐見崎市民病院」で医療事務員として働き、修司やその妹・絵里と深く関わる田中梨花を演じる大原優乃に、役作りや共演者との撮影についてインタビュー。また、12月に発売される初のフォトブックに込めた思いについても語ってもらった。

——『あにいもうと』への出演が決まったときは、どんなお気持ちでしたか?

そうですね。錚々たる方々とご一緒させていただけることを、何より光栄に思いました。ふだんから尊敬している先輩方に、沢山勉強させていただいています。

——撮影前に行われた全体での本読みはいかがでしたか?

読み合わせの際に、皆さんの声をはじめて聞いたとき、改めて「すごい作品になるな」ということを肌で感じました。台本を一人で読んでいたときに思い描いていた人物たちが、皆さんの声や、お芝居を通して、頭の中から現実に一気に立ち上がってくる感覚があったんです。

——最初に台本を読んだとき、作品や物語の世界観にどのような印象を持ちましたか?

第1話から物語の軸となる部分がどんどん描かれていくので、序盤から大きく動き始める展開に、私自身もすごく引き込まれました。全体像をゆっくり説明してから進むというよりも、登場人物が抱えているものや、それぞれの関係が早い段階から少しずつ見え始めるんです。その先には何が待っているのか、続きを追いたくなる作品だと思いました。

——大原さんが演じる田中梨花は、物語の中にピンポイントで登場する役柄です。どのように人物像をつかんでいきましたか?

今回はラブ・サスペンスというジャンルですが、私はピンポイントで登場する医療事務の役柄なんです。ですので、梨花という役だけを解釈する前に、まずは作品全体の情報や、梨花が関わっていく人たちの情報を周囲から吸い上げていくような気持ちで、役作りをしていきました。梨花が登場していない場面にも目を向けて、彼女につながるものがないかを探すような感覚で台本を読んでいました。

脚本の中だけだと梨花についての情報がとても少なかったので、役作りは結構難しかったですね(笑)。だからといって自分の想像だけで人物像を決めつけてしまうと、作品全体から外れてしまう可能性もあるので、限られた言葉の中から受け取れるものと、周囲の人物との関係を一つずつ照らし合わせながら梨花という人物を作っていきました。

——大原さんから見て、梨花はどのような人物ですか?

梨花は常に誰かを、そして何かを想っている印象があります。そんな梨花を演じる上で大切にしたのは、想うという気持ちの芯をブラさないことでした。その想いが、何に向けられたものなのか。どのような関係性の中にあるものなのか。想像を巡らせながらご覧いただけたらうれしいです。梨花が自分の感情をすべて表に出す人ではなくても、内側には簡単に揺らがないものがある。そんな想いを感じてもらいたいです。

——梨花の魅力は、どんなところにあると思いますか?

自分のことよりも、自分が想っているもののために行動できる人です。誰かを想うだけで終わらせるのではなく、必要なときには実際に動くことができる。そこがとても頼もしいと感じます。

——ご自身と似ている部分や、逆に異なると感じる部分はありましたか?

自分との照らし合わせについては……難しいですね(笑)。ただ、梨花は赤楚衛二さんが演じる修司と同じ年齢という設定なので、その年齢に見えるようにすることは大切にしました。修司と並んだときに、同じ時間を重ねてきた人物として違和感なく見えるよう、メイク部の皆さんとも話し合いながら、丁寧にビジュアルを作っていただきました。

——普段の大原さんとは、見た目や醸し出す雰囲気も異なりますか?

梨花の年齢もそうなんですが、イメージの中の梨花と私の見た目は違うと思うので、そこはメイク部や衣装部の皆さんと話し合いながら、細かいテイストまで作り込んでいただきました。

そうやって、外見から受け取れる情報が増えたことで、梨花としての立ち方や、その場にいるときの感覚もつかみやすくなったんです。それが、私自身にとっても梨花を演じる上で大きな力になりました。

後に梨花の回想シーンがドラマの中で描かれるのですが、「過去はこんなキャラクターだったんだ」と感じるほど、現在の梨花との間にギャップがあるんです。ただ、過去と現在でまったく別の人物に見せるのではなく、梨花がどのような時間を過ごして現在に至ったのか、そんな細やかな時間の流れや、つながり、それに合わせておこる見た目の変化なども大事にしたいと思いました。

——梨花は、修司やその妹・絵里と深い関係を持つ人物ですが、3人の間にある絶妙な距離感を表現する上で、意識したことはありますか?

ストーリー全体が、命に関わってくる作品でもあるので、誰かの痛みに触れることは、とても繊細なものだと感じました。気持ちを強く出しすぎれば、梨花の思いを説明しすぎてしまいますし、抑えるだけでは届かないものもある。その距離感は慎重に考えました。梨花を演じる上で、私自身も丁寧に表現したかった部分です。

——榮倉奈々さんや赤楚衛二さんとの撮影はいかがでしたか?

榮倉さんは、どんなときも自然体で、その場所に存在される役者さんだという印象です。何かを強く見せようとされているのではなく、役としてそこにいらっしゃる姿がとても印象的でした。昔からとても好きで、憧れの存在だったので、実際に対峙させていただき、榮倉さんのお芝居を肌で感じられたことがとても光栄でした。そして、向き合ってお芝居をする中で、私自身も受け取らせていただくものがたくさんありました。

赤楚さんが演じる修司は、私の役にとってとても大きな存在です。それを踏まえて、お話も沢山させていただきました。赤楚さんはふだんはとても穏やかで、おおらかな印象なのですが、役として目を合わせると、修司が背負っているものが目に見えるようでした。普段の柔らかな空気との違いもあって、目の前にいるのは修司なのだと自然に感じられたんです。感動しましたし、役に対して実直に向き合われている方だと思いました。

——園田絵里を演じる宮﨑優さんとは、以前にも共演されているそうですね。

以前、『女子グルメバーガー部』で姉妹役を演じたこともあって、今回が3度目の共演になります。先輩方が多い現場の中で、優ちゃんの存在にはすごく癒やされました。

——本作はラブストーリーとサスペンス、2つの要素を併せ持っています。梨花の表情や、セリフの裏側で意識したことはありますか?

ピンポイントで登場する役柄だからこそ、作品全体のバランスを現場で把握できないところは難しく感じました。なので、梨花として脚本を読み込むだけではなく、新城監督とお話をさせていただきながら、梨花としての表情や言葉をどこまで見せるのか、その塩梅を調整していただき、一緒に役作りをさせていただきました。ラブストーリーとサスペンスのどちらか一方に寄せすぎても、梨花の見え方が変わってしまうので、偏りにも気をつけましたね。

——新城監督とは、今回が初めてのお仕事だったそうですね。

はい。一緒にお仕事をさせていただいた中で、とても繊細に作品を作られる方だと感じました。段取りを何度もしてくださいましたし、すべてのレールを敷くのではなく、そっと背中を押すような言葉をひと言くださるんです。細かく答えを決めるのではなく、こちらが考えられる余白を残してくださるので、その言葉を受け取りながら、目の前のお芝居に全力で集中することができました。

梨花の心が大きく動く大事なシーンで、もう一度本番を撮ることになったときのことも印象に残っています。通常であれば、監督が助監督さんにインカムで伝えて、そこから私に言葉を届けていただくことが多いのですが、新城監督はわざわざご自身の足で伝えに来てくださったんです。直接言葉をいただけたことで、そのシーンに何を求められているのかが、より深く伝わってきたんです。その誠実さにとても救われましたし、監督の想いに私も応えたいという気持ちでお芝居に臨めました。

——撮影が続く中、気持ちを切り替えたり、オフにリフレッシュしたりするために行っていることはありますか?

毎日お風呂に浸かるようにしています。その日の気分や、翌日の仕事に合わせて、入浴剤を自分で調合するのが最近のお気に入りです。今日はどんな香りの気分かを考えながら選ぶ時間も含めて、気持ちを切り替えるきっかけになっています。ありがちなんですが、お風呂に入ると、一日がリセットされるような感じがします。

——最近、お気に入りの香りはありますか?

ヒノキの香りが好きでよく使っています。香りを感じると自然と気持ちが落ち着くので、何も考えず、お風呂でゆっくり過ごしたいときにも選んでいます。

——仕事でもプライベートでも、今後挑戦したいことはありますか?

体を動かすことが好きなので、仕事ではアクションの勉強をしています。体の使い方を学ぶことで、お芝居の中でできることも増えていくと思うので、これからも続けていきたいです。

プライベートでは、今年一度山に登ったときに趣味にしたいと思ったので、また行きたいです。仕事とは違うところに意識を向けながら体を動かせる時間が、自分には合っているのかもしれません。

——どちらの山に登ったのですか?

手始めに高尾山に登りました。もちろん、名物のお団子とお蕎麦も食べました。山に登るだけじゃなくて、そこで食べるものも含めて楽しかったです。ただ、冬の山は初心者には危険だと思うので、冬は行かないかもしれません(笑)

——12月には、初のフォトブックが発売されますよね。撮影を終えたばかりとのことですが、全体を通していかがでしたか?

10代の頃から憧れていた『ar(主婦と生活社)』さんから本を出させていただき、それが一つの形になることをとてもうれしく思っています。長く見てきた媒体だからこそ、今回こうしてご一緒できることへの喜びも大きかったです。

この一冊を通して、私なりの愛と責任を持ってお伝えできる情報を詰め込みたいと思って、いろいろとお話しさせていただきました。写真を見ていただくだけではなく、手に取ってくださった方の日常にも持ち帰ってもらえるものを届けたいと思ったんです。それが私にとっては“ボディ”だったので、ふだんから体型を管理する上でどのようなマインドを持って、実際に何をしているのかをすべて公開する一冊になっています。

——撮影に向けて、ご自身でもかなり準備を重ねたのでしょうか?

打ち合わせの際、「情報に説得力を持たせられるボディにするので、こういう一冊にしたいです」と編集部の方にお伝えしました。そうやって先に言葉にしておくことで、自分から逃げ場をなくしたかったんです。お伝えした以上は、きちんと説得力のある状態で撮影に立ちたいという気持ちがあったので、撮影の1、2カ月前から自分自身を追い込み、体を作って撮影に臨みました。

——具体的には、どのようなことに取り組みましたか?

毎日自炊をするようにして、ジムにも通いました。普段は週に1回ほどだったんですが、撮影前は週に2、3回にトレーニングを増やしました。何か一つを急に変えるのではなく、毎日の食事とトレーニングを積み重ねながら、撮影に向けて少しずつ気持ちと身体を整えていきました。

——フォトブックを楽しみにしている皆さんにも、メッセージをお願いします。

体型管理や自分自身と向き合うことは、ゴールがなく、とても孤独なものだと思っています。頑張っていても正解が分からなかったり、自分だけで続けているような気持ちになったりすることもあると思うんです。今回の本は、何かを一方的に教える本ではなく、同じように悩みながら向き合う方のそばに置いてもらえるものにしたいと思いました。

手に取ってくださった方の心のお守りになれるような一冊になれたら、という思いで制作しました。ボディケアや睡眠ルーティンなども公開しているので、見ていただけたらうれしいです。

——最後に、『あにいもうと』を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。梨花が何を想っているのか、誰を想っているのか。言葉になっていることだけでなく、梨花の表情や距離感からも受け取っていただけるものがあると思います。そして2組の兄妹を軸に交錯していく物語がどこへ向かうのか、登場人物それぞれの思いを追いながら、ぜひ考察して楽しんでいただきたいです。

<作品情報>

サタデードラマ10『あにいもうと』
【出演】榮倉奈々 赤楚衛二 宮﨑優 木村達成 戸塚純貴・高橋克実・富田靖子 竹下景子 原田美枝子 仲村トオル
【脚本】吉田紀子
【音楽】世武裕子
【スタッフ】
演出:新城毅彦、星野和成、中村圭良
放送:2026年10月17日スタート 毎週土曜よる10:00~10:54
放送局:テレビ朝日系24局

書名:大原優乃フォトブック(タイトル未定)
発売日:2026年12月18日
発行:主婦と生活社

俳優
大原優乃 YUNO OHARA1999年10月8日生まれ。鹿児島県出身。2009年、Dream5のメンバーとしてデビュー。俳優としてドラマ『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(19年) 、『ゆるキャン△』(20年)、映画『おいしい給食 Road to イカメシ』(24年)、Netflix映画『新幹線大爆破』、映画『教場Reunion/Requiem』などに出演。

Model:YUNO OHARA  photographer:YUUKA HONNA Styling:KANNA MURAMATSU Hair&Makeup:YUINA IWATA Text:AO SERI