探求者の美学「QUESTER RULES presented by Aurelie.」ゲスト/黒木メイサさん(第2回)

BEAUTY

記念すべき第1回目は、黒木メイサさんをゲストに迎え、どのように美を探求されているのかについて伺います。2つめのテーマはInner Beauty。佇まいや雰囲気など内側から滲み出る美しさの源や、その秘密について迫ります。

ホラン千秋 年齢や経験を重ねていく中で、仕事に対する心境の変化はありましたか?

黒木メイサ 10代や20代の頃は、仕事のオン・オフの切り替えが難しかったんです。自分で自分の殻を作っていた部分があり、私生活でも常に「黒木メイサでいなければいけない」という思いが強くて。それが出産し、子供ができてからは、切り替えがスムーズにできるようになりました。仕事が終わって、家に帰ると母親としての役割がある。子供たちと向き合う時間ができたことで、一旦、仕事を忘れてリセットできるようになったんです。若い頃は、ずっと糸が張り詰めた感じの生き方をしていたので、今は子供たちに助けられている部分はすごくありますね。

ホラン千秋 この業界で長く活躍し続けている方って、みなさんすごく真面目だし、ストイックだし、相手に応えたいという気持ちが強い思うんです。だからこそ、世の中にこういうイメージを求められているんだと感じたら、それに応えなくちゃと思うのは少なからずありますよね。

MEGUMI それを経験したからこそ、今はバランスが取れている。人間的にも奥行きと幅、厚みが出ているのは素敵なことですよね。

ホラン千秋 美しさに対する考え方はどうでしょう。外見や内面だけでなく、最近はマインドも美しさを形成する大切な要素であると言われますが、何か変わりましたか?

黒木メイサ マインドで言うと、若い頃はなんでもこなせて、強くブレずににいることが理想だったんですが、今は芯はありつつも、いろんなことに対応できる、ブレることも必要なのかなって思うようになりました。

MEGUMI たゆたうことも受け入れてるというね。素敵。大人です。

ホラン千秋 それは何かきっかけがあったんですか?

黒木メイサ それも結局は子供なのかな。10代の頃は極度の人見知りで、こういったインタビューでも汗で服の色が変わるほど。カメラが回っていないところで人と会話をすることってほとんどなかったんですが、子供を産んでからは、そんなことも言っていられない。初めての子育てで、情報を取りに行かなければいけないし、学校のママたちにも自分から積極的に話しかけて、いろいろと聞き出したい。そうやって行動したり、たくさんの人から話を聞いたりするうちに、柔軟性みたいなものが少しずつ身についてきたのかなって思います。

ホラン千秋 自分が動かないと始まらない状況に置かれると、結局人間ってやるしかないからやるんですよね。MEGUMIさんはどのような人をマインドが美しいと思います?若い時に感じていた憧れの人と、今思うかっこいい人は違いますか?

MEGUMI 自分を理解して欲しいっていう気持ちを出さない人がかっこいいと思うんです。黙れる人。人の話を聞ける人って意外と少ないから、最近は、問題が起きた時も、黙って聞くようにしています。言いたいこともあるけれど、まずは全部受け入れて、一拍おいて考える。40歳を過ぎて「みんな色々あるよね」っていうことを理解できた今だからこそ、黙って主張しないってことが仕事においては大事かなって思い、すごく心がけています。

ホラン千秋 それで言うと、私も反省会という名のひとり会議をしてしまうタイプなんですが、そういう状況になった時、どこまでが大人として受け入れるべき範疇なのか線引きがわからなくなってしまうんですよ。年齢が上がるにつれて伝えるべきことは伝える、という役割も増えてくる中で、何も言わないということが必ずしも正解じゃない時がある。だけれども受け止められる大人にもなりたい。そうすると、そこまでが正当な我慢や忍耐になるのかな、これって実は自分の気持ちを蔑ろにしているだけじゃないかなって複雑な気持ちになるんです。

MEGUMI そんな時は、自分の感情を情報として取ることが大切。なぜ、今モヤモヤしているのか。尊厳を傷つけられたり、頑張っているのに認められない、大体そんな感じじゃない?我慢すると思うから辛いわけで、情報として受け取る。

ホラン千秋 客観視するということですね。

MEGUMI そう。自分は今、何に対してもやついているのかを情報として捉えると、感情的にならずに処理できて、次に行けるようになると思います。

ホラン千秋 メイサさんは「深い」って頷いていましたが、今のMEGUMIさんの考えはどうですか?

黒木メイサ 私は自分の主張を伝えることが苦手で「違うな」と思っていても、黙りがち。特に30代になってからは「もうちょっと自分の考えを主張をしていかないと」と思い始めていたところだったので、そのさらに先をいく、相手に共感することや、黙るということも1つの手段なんだなということがMEGUMIさんの話を聞いていて、自分の中にスッと入ってきました。

MEGUMI 嬉しい。普段、黙ってる人が発するひと言って、一撃も大きいですよね。「黙る」ってできそうでできないことだなって思うんですが、メイサさんはすでにそれができている。素晴らしいですよ。

ドレス¥81,400 (ELAINE HERSBY/エンメ) サンダル¥189,200 (PIERRE HARDY/ピエール アルディ 東京) ピアス¥22,000 (quip queint/フーブス) リング〈右手〉¥23,100 (IRIS47/フーブス),〈左手〉¥25,300, ブレスレット¥63,800 (ともにYOSTER/エンメ)

ホラン千秋 お二人とも海外で生活をされていますが、海外生活を通して違う価値観に触れることで、心のあり方や考え方で変わったことはありますか?

黒木メイサ アメリカの生活で学んだことは、自己主張をすることの大切さであったり、周りの目を気にしないこと。芸能の仕事しているからというわけでなく、日本にいると協調性を求められがちなが気がしていて、もちろん、その場をわきまえることは大切ですが、必要以上に合わせることもないかなって。アメリカに行って、周りの目を気にしなくなったことで、心のフリーを感じることができるようになりました。他にも、外国の方って、全然知らない人とエレベーターの中で急に会話を始めたりしますよね。知らない人からでも、褒められると嬉しいし、その日がちょっとハッピーに始まったりするので、私も積極的に声をかけてみようと心がけていた時期もありました。すごく素敵な習慣ですよね。

ホラン千秋 周りもハッピーになりますね。

MEGUMI 大好きです。その感覚は素晴らしいと思います。

ホラン千秋 その土地その土地の慣習があるから、海外ではそうできる自分がいるのに、日本ではできない、というシーンもありますよね。傍若無人とは思われたくないけど少し自由になりたい時に、日本では堅苦しさみたいなものを感じますか?

黒木メイサ 「Agree to disagree(意見の不一致を受け入れる)」という姿勢や考え方がすごく素敵だと思っているんですが、違う意見があって当たり前。その場の空気を考えて、反対の意見を言うことをためらいがちですが、恐れずに自分の意見を伝えてもいい。そして相手の意見も受け入れる、そういうことが大事かなと思います。MEGUMI 私も同感です。

トップス¥41,800 (FETICO/THE WALL SHOWROOM) パンツ¥26,400 (PRANK PROJECT/PRANK PROJECT AOYAMA) サンダル¥126,500 (Sergio Rossi/Sergio Rossi Japan Customer Service) イヤリング¥8,800 (MC STUDIO) リング(右手)¥18,260 (FULL OF GRACE) リング(左手人差し指)¥15,620 リング(左手中指)¥9,680 バングル¥41,400 (ともにBULBS/ZUTTOHOLIC)

ホラン千秋 座右の銘や人生のテーマとなっているフレーズなどはありますか?

黒木メイサ やはり「agree to disagree」ですね。相手と違う意見だったとしても、怖じけずに意見を主張する。相手の違う意見も受け入れた中で、会話をしていくっていうのが素敵なことかなって思うんです。違う意見だからって否定することも、相手を嫌いになることもないなと思います。

ホラン千秋 意見が違うからといって、別にお互いのことを嫌い合う必要はないですよね。「私とあなたは違うのよね、OK。それはそれで、じゃあお茶しに行きましょう!」みたいな。それはそれ、これはこれっていう風に色々な感情を切り離す上では、とてもいい会話ですよね。

MEGUMI 確かに大事なこと。意外とできそうで、できてないかもしれないですね。

ホラン千秋 MEGUMIさんはどうですか?

MEGUMI 私の憧れのヒーローは安藤忠雄先生なんですが、今でも海外案件含め、バリバリと忙しく働いているんですね。多くの人は「年をとったら海外にいけなくなる」「何歳だからこれはできない」といった考えになっていきますが、全ては自分で制限をかけているだけなのかもしれない。そんな思いなんて取り払ってしまえばなんでもできるんだ、ということを教えてくれた存在であり、安藤先生にお会いできたことで、いい影響をいただき、私もそういう風に生きていきたいし、そうありたいなと思っています。

ホラン千秋 そうやって実際に生きている人がいると、より説得力があります。固定観念にとらわれないというのもすごく大事ですね。

MEGUMI (ホラン千秋さんに向かって)どうですか?

ホラン千秋 私は起こること全てに意味があると思っていて、嫌なことがあった時ほど人間性が出るじゃないですか。私は沸点が低いのですぐイラッとしちゃうんですが(笑)「なぜこれが起きたのか」「今、何を試されているのか」ということを考えるようにしています。どうせ乗り越えるならそれが起きた意味を考えて、面白がって乗り越えられる、そんな自分でいたいなと思い、修行中です。MEGUMI 素晴らしい。自分のことがよくわかってる。次に行こうとしているのが尊い(笑)

ブルゾン¥195,800, タンクトップ¥68,200, パンツ¥139,700 (全てSportmax/マックスマーラ ジャパン) サンダル〈参考商品〉(PIERRE HARDY/ピエール アルディ 東京) イヤリング¥16,500 (IRIS47/フーブス) ネックレス¥26,400, イヤーカフ〈リングとして使用した〉〈右手〉¥17,600,〈左手〉¥16,500 (全てquip queint/フーブス) ベルト〈スタイリスト私物〉

ホラン千秋 俳優というスケジュール的にもハードな仕事の中で、心のバランスを保つために大切にしていることはありますか?

黒木メイサ 先ほどお伝えしたサウナへ行ったり、夜のストレッチ時間ですね。忙しい時期もあるのですが、年間を通してずっと忙しいわけではないので、作品に入ってる時は短期集中して、終わったら一旦、少し間を開けてリセット時間を作るようにしています。

ホラン千秋 MEGUMIさんはずっと動いていますけど、メリハリは必要としてる方ですか?していない方ですか?

MEGUMI 必要としているけど、でもできていないっていうのが現状です。俳優業はとても楽しく、撮影している時は自分にとってすごく素敵な時間でもあるので、楽しいところだけを今は考えようと思っています。

ホラン千秋 スケジュールが空いていると不安になるタイプですか?

MEGUMI ならないです。ならないけれど、やらないとしょうがないって言うのが今の状況です。裏方の仕事もやっているので、こういう状態になっているのですが、今年から日曜は休むことに決めました。「休むとは?」を調べると、休みのドクター曰く、家から出ないことだと。そして、予定を入れずに家にいることは、自分の思いのままに動ける。お風呂入りたいと思えば入る、プリンを食べたいと思えば食べる。でも、心の赴くままに動けていることなんてほとんどないですよね。だけど、その赴くままに動くことで体は回復モードになるそう。自律神経が整い、そして回復モードになってから寝ると、破壊と再生で細胞が壊れて、休む前より細胞レベルで上がっているそう。休む前の自分よりも活性されて新しくなってるという構造らしいです。

ホラン千秋 最初に座学があるんですね。自分でやってみて、これが良かった、あれが良かったなというよりは、まずは学問として学ぶというプロセスがあるんだなということを知りました。

MEGUMI 全部知りたいの。好きなんですよ。腹落ちさせてから、休むのが好き。全てにおいて、意味が欲しいですね。

ホラン千秋 休みにも学びがありますよね。

MEGUMI そうです。すごい変態なの(笑)ホラン千秋 あくなき探求心、すごいです。私もアップデートしていきます。

Guest:MEISA KUROKI(MM) Navigator:MEGUMI(KICKY)、CHIAKI HORAN(AMUSE) Movie Director:TORU IZUMIDA Steel Director & Text:YUKI KOIKEDA Videographer:MASATOSHI SIBATA Photography:SASU TEI(RETUNE)Styling:MINAMI TAIRA(ForMEISA KUROKI&CHIAKI HORAN)、KUMI SAITO(ForMEGUMI) Hair & Makeup:MIHO MATSUDA(ForMEISA KUROKI)、MASANORI ENOMOTO(ForMEGUMI)、MIKAKO SEKIKAWA(ForCHIAKI HORAN)

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